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未来社会を創る産業として2020年、エステティック業界に期待すること

経済産業省 商務・サービスグループ
ヘルスケア産業課課長
西川和見

東京都千代田区霞が関1-3-1 
https://www.meti.go.jp/

明けましておめでとうございます。
令和を迎え、初めての年明けを迎えました。

現在、経済産業省では、需要と供給の両面から、健康寿命延伸に寄与するヘルスケア産業の創出に取り組んでいます。まず需要面では、従業員の健康・保持増進の取り組みが、従業員の活力や生産性の向上などの組織の活性化をもたらし、業績向上や組織としての価値向上につなげる「健康経営」を推進しています。例えば、優良な健康経営に取り組む法人を見える化し、社会的に評価を受けることができる関係を整備するために「健康経営銘柄」や「健康経営優良法人」の健康経営に係る顕彰制度を行なっています。

一方供給面では、地域の自治体や医療・介護関係者、民間事業者等の連携を促進するために、「地域版次世代ヘルスケア産業協議会」の設置を促進しています。また、業界団体が策定する業界自主ガイドライン等に対するあり方を示すものとして「ヘルスケアサービスガイドラインなどのあり方」をとりまとめ、業界自主ガイドラインなどに基づき一定の品質が確保されたヘルスケアサービスが仲介者や利用者から選択される流通構造の整備にも取り組んでいます。

エステティック業界でも、日本エステティック機構より機構で実施するエステティックサロン認証基準が「ヘルスケアサービスガイドラインなどのあり方」を踏まえているとして自己宣言いただきました。これにより、認証を受けたサロンが仲介者や利用者から選択されることで、業界の健全な発展につながると思いますが、認証制度が特定の事業者だけでなく、エステティック業界全体で認証を取得し、安心してサービスを利用できるような方向性に向かっていくことが重要であると考えています。

日本国内における健康産業は、近年健康経営の取り組みも広がり、企業数も増加しています。それらの企業とエステティックがコラボすることによって、若い世代が活力をもって働くことに、エステティック業界が貢献することを期待しています。

業界においては、エステティックに関する各種業界団体が業界自主基準や認証制度を策定し、一体となって安心・安全なエステティックの提供に努めているものと認識しています。ほかにも、業界団体が美容ライト脱毛機器の安全講習会などを実施するなど、サービスの品質向上への取り組みを行なっており、これらは健全な業界の発展にとって重要であると考えています。

また、男性やシニア層向けのエステティックなどまだまだ伸びしろのある業界なのではないでしょうか。特に団塊の世代が今後10年間で75~80歳になると、高齢者の健康・予防に対する意識がますます高まります。以前の高齢者と違い、パソコンやスマートフォンも利用する方であることも考えると、新しい健康・予防のITサービスが生まれてくることが予想され、そこにエステティックも含めた健康産業の成長性があるものと考えています。

経済産業省でも今年度より、ベンチャー企業などのイノベーションを必要とする多様な団体がネットワークを構築するためのワンストップ窓口として「Healthcare Innovation Hub」を創設したところです。エステティックにおいてもこの「InnoHub」を活用いただくなど、異業種との連携を通じて、これまでにない新たなエステティックが生まれることを期待したいと思います。

いつまでも健康でいるためには年齢を問わず社会とつながっていることが重要です。美しくなって外出する機会が増加し、人とのつながりが増えることで健康増進につながると考えられ、人とのつながりを実現する、エステティックの可能性は非常に大きいものと期待しています。また、リラクゼーション効果やストレスの緩和などメンタル面への働きかけもあり、自信を持って活躍することにつながることから、幅広いニーズに応えることのできる業界であると考えています。

エステティックは若い方から高齢者までだれもが持つ、いつまでも美しくありたいというニーズに応えることができる業界です。今後もエステティック業界が健全に発展し、健康寿命延伸のために一層大きな役割を果たしていただくことを期待しています。

※エステティック通信 2020年2月号掲載

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