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美容機器メーカーから総合美容メーカーへ新たな事業へのスタートを切る

株式会社リー・プロ
代表取締役 小山 直文

【Profile】東芝エンジニアリングコンピューター部門で、システムエンジニアとカスタマーエンジニアを兼務。日本人のものづくりに対する考え方に感銘を受け、1993年株式会社リー・プロを設立。その後、2012年に自社ビルを取得、2017年に仙台工場を操業開始するなど、メーカーとしての基礎の盤石化を図る。

社員、取引先様との絆強化で史上最高の売り上げに

弊社の取引先様には、チェーンのエステサロンやスポーツジム内のエステティックサロン、リラクゼーションルームを持つパチンコ店などが多く、昨年のコロナ禍での緊急事態宣言中には、とくにそうした店舗からの注文が激減。4月の売り上げが前年同月比マイナス60%、5月にはマイナス91%と惨憺たる結果になってしまいました。また、BWJ東京が中止になったことで新製品の発表が遅れたり、中国で生産しているリチウム電池やACバッテリーの輸入がストップしたりと、事業や業務内容ほかさまざまなことが予定と異なる事態になり、大きな軌道修正を余儀なくされました。

とはいえ、未曽有の危機の渦中にいるのは、弊社だけではなく、取引先様、ディーラー様も同じです。「今後も運命共同体として付き合っていけるか否か」ということを再度見直す機会にもなりました。「一緒にがんばりましょう!」と手を取り合える取引先様もあれば、10年使用した機器を「引き取ってほしい」という取引先様もあり。事業に対する考え方の違う取引先様を淘汰したことで、かえって結束力が高まったように思います。

今回のコロナ禍では、クラスター発生源としてスポーツジム、パチンコ店などが槍玉に挙がりましたが、弊社の取引先様は換気や消毒などの感染症対策を徹底して行なっている店舗ばかりだったので、「周りの目や雑多な情報に振り回されないように」とZoom朝礼のたびに伝えていましたね。その結果、社員一人ひとりがどうするかをしっかり考えるようになり、企画開発能力も高まったように思います。

また、弊社の拠点が北海道だということも不幸中の幸いだったかもしれません。もともと取引先様が遠方であることが多く、コロナ以前から商談の9割をオンラインで行ない、オンラインでのセミナーにも力を入れるなど、オンラインに関するノウハウを社員もディーラー様もきちんと持っていました。そのため、他社よりもタイムラグなく、スムーズにコロナ禍に対応できました。加えてステイホームの影響でホームケア用美容機器を利用される方が増え、需要が伸びたこともあって、売り上げ高が大きく躍進。9月の決算では、売り上げとしては過去最高、経常利益としても過去2番目の数字を上げることができました。

3カ年計画がスタート!コロナ禍だからこそ挑戦を

昨年9月までの過去5年間は、まさに復活の期間といえる時代でした。2012年の決算で過去最高益を上げたものの、本社が入っていたビル上階の火災で、弊社もワンフロアが水浸しに。まさにマイナスからのリスタートとなり、事業から撤退することも考えました。その気持ちを引き止めたのは、社員や取引先様、ディーラー様などに対する「責任」と「ものづくりに対する想い」です。

美容に対する女性の意識はさまざまで、40代で肌トラブルを抱えている方もいれば、70代でもピカピカの肌の方もいます。「気付けば変われる」というのが、美容の魅力だと思いますね。こちらが一生懸命に取り組めば、お客様も信頼してくれる。そうするとまた、こちらもモチベーションが上がってがんばろうと思える。このように不思議な魅力が美容業界にはあります。

今年は、単なる美容機器メーカーではなく、総合美容メーカーとして新たな事業を開始するための「3カ年計画」の大事な1年目。新分野に向けて工場の稼働を予定しています。「Yes,we can.」を合言葉に、こんな時代だからこそ前向きに、コロナ禍を言い訳にせずに挑戦を続けていきたいと考えています。

~COMPANY DATA~
株式会社リー・プロ

確かなものづくり技術で圧倒的プレゼンスを誇る機器メーカー。OEM・輸出関連事業も好調で、国内売り上げの7割強を占める。2018年には、新たに北海道第二工場を操業するなど、安定した経営の基盤づくりに余念がない。2020年の決算では過去最高の売り上げ、過去2番目の経常利益を叩き出すなど、コロナ禍においても大躍進を続けている。今後は、総合美容メーカーとして新たな事業を展開する予定。

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