エステ業界を知る。経営する。参入する。エステティックをビジネスとして捉えるビジネス向けメディア

確かな医学的エビデンスをもとに先端技術を安全に適正価格で届けたい

グローバルサイエンス株式会社 会長 笠原 征夫(写真左)
渋谷スキンケアクリニック 院長 吉田 貴子(写真右)

【Profile】
笠原 征夫(写真左)
広告代理店「電通」、製薬会社、化粧品会社での勤務を経て33歳で化粧品のOEM会社を設立。その後エステサロンにおける美容機器の潜在的需要に着目し、美容機器の開発製造に着手。さらに富士山の麓に酵素ファスティングを中心とした「北斎スパ」を開業。医療機器の開発も始め、最先端の美容医療を目指している。

吉田貴子(写真右)
帝京大学医学部を卒業後、同大学付属病院の皮膚科学教室に入局。東京警察病院に勤務し一般皮膚科を学ぶかたわら美容皮膚科の勉強を開始。2000年都内美容皮膚科の院長に就任、2004年「渋谷スキンクリニック」を開業。一般皮膚科、美容皮膚科、メディカルエステを融合させたトータルスキンクリニックを展開中。

技術の「適正価格化」で美容・エステをより身近に

―― 昨年より吉田院長を医療顧問に迎え、お仕事をされているとうかがいましたが、その目的と経緯を教えていただけますか?

笠原会長(以下敬称略) 吉田先生は3年ほど前から系列会社であるダヴィンチテック社の医療機器をクリニックにてご利用されています。そのご縁から、今回、弊社が開発を進める美容液などの化粧品や美容機器に関してご意見をいただきたいと、アドバイザーをお願いしました。今後は、先生の医学的見地を踏まえ、商品をブラッシュアップしていきたいと考えています。

吉田院長(以下敬称略) 私が美容・医療機器の導入を決める際に重視しているのは、メーカーの担当者様を信頼できるかどうか。その点、笠原会長はダヴィンチテックで医療機器、グローバルサイエンスで美容機器の製造を手掛け、非常に幅広い知識と経験をお持ちであることから大変信頼しています。さらに、スタッフの方々も知識が豊富で誠実な方ばかり。これから一緒にお仕事ができることをうれしく思っています。

笠原 美容機器メーカーが陥りやすい失敗は、自分たちが開発した機器はこんなに素晴らしいのだと「自画自賛」し、エンドユーザー様の視点を見失ってしまうこと。吉田先生には、医師とエンドユーザー、それぞれの立場からご意見・アドバイスをいただき、その「誤差」を埋めていくつもりです。

―― 最初、笠原会長から顧問への就任を打診された時は、率直にどのように感じられましたか?

吉田 私は一開業医として臨床だけに取り組んできた、“職人”です。そして研究者でもありません。そのため、当初は正直私でよいのだろうかという気持ちがありました。ですが、笠原会長が掲げる「お客様、患者様にとって本当に優しい製品をつくりたい」という想いの実現に、これまでの自分の知識や経験が生かせるのは非常に幸運な機会であると思いお受けしました。お引き受けしたからには、気になる点はどんどんお話ししていきたいです。

笠原 例えば、シミのケアに高い効果があるといわれ、今、非常にニーズが高まっている「ピコレーザー」。この技術を搭載した機器の価格は非常に高く、まだまだ臨床例も少ないのが現状です。こうした部分で吉田先生にご協力いただきながらさまざまなデータを蓄積し、製品開発につなげたいと思っています。そして今まで価格が高くて手が出なかった技術に参入し、より普及しやすい価格での提供に尽力したいですね。

吉田 確かに国内には実力・知名度ともに高い機器もいくつかあります。ですが開業医が導入する際に考えるのはやはり製品価格。導入してみたものの、それがうまく回らなければ経営が立ち行かなくなりますから、慎重にならざるを得ません。その点からも機器の性能と価格のバランスは非常に大事だと思っています。

笠原 1千万円を超える機器を導入し、その原価を償却しようとすると、どうしても一人の患者様から頂戴する金額が高くなる。それがこの業界のネックでもあるかと。今回のコラボレーションではそうした状況の是正にもつなげていきたいです。

急速に変わる時代に対応し美容意識向上につなげたい

―― コロナ禍により社会情勢も大きく変わった昨年、お二人にとってはどのような1年でしたか?

笠原 弊社はあまりコロナ禍の影響を受けることなく、おかげさまで収支もよい結果で終えられました。もちろん、営業やサポート業務がストップする時期もありましたが、その期間を使って研修や勉強会が開催でき、知識の底上げができたように思います。

吉田 弊院は渋谷という場所柄もあり、自粛期間中は患者様の数も減りましたが、今は徐々にコロナ前の状態に戻りつつあります。マスクが外せない状況である今のうちに「シミやしわの治療を受けたい」と来院される方も増えています。また、マスクによる肌トラブル事例も多く、素肌のケアに対する意識が高まっていると感じます。実際、若い方が多く来院されるようになり、患者様の年齢層は広がっています。

笠原 近年、美容クリニックの低価格化が進んだこともあり、確かに若い方の利用が急激に増えています。しかし、それによって中高齢者が「通いにくい」と感じ、足が遠のいてしまうケースもあると聞いています。本当は、年齢を重ねた方々のほうが「きれいになりたい」という想いがより強く、リピーターとなる可能性も高い。そのため、価格だけではないアプローチで市場を広げていくべきだと考えています。

―― その実現に向け、今年取り組む新たな施策はありますか?

笠原 以前は「癒し」の要素が強かったエステティックサロンも、今ではお客様のほとんどが「結果」を求めて来店されます。そうしたニーズに応えるためにも、今後はしっかりとしたエビデンスをもとに結果の出る美容機器を製造・販売していかなくてはなりません。吉田先生をお迎えしたのは、まさにそれを実現するため。これはお客様の肌に触れる製品をつくるメーカーとして当然の流れだと思っています。

吉田 かつては“別物”と考えられていた美容と医療も今ではグンと距離が縮まっているのを感じています。これまでの臨床データが役立つ場面はたくさんあると思いますので、さまざまな角度から意見をお伝えしていければと思います。

また、今は「マスクを着ける生活」が当たり前となり、これまで肌トラブルを隠す手段でもあったメイクが、マスクを汚し、摩擦や蒸れによるトラブルの原因にもなる、不便で不快なものに変わりつつあるのを感じています。今回のコラボを通じて「メイクに頼らない素肌づくり」など、肌や美容への意識を高める活動にも取り組んでいけたらいいですね。

笠原 今は国内だけでなく、中国や韓国と海外で開発された技術が次々と持ち込まれ、美容機器業界も競争過多の状態となっています。そうした状況の中で、スピード感を持って優れた製品を生み出すためには、やはり優秀な人材の確保が欠かせません。今後はこれまでにない報酬で適材適所にプロフェッショナルを配置するといった思いきった施策も検討しています。吉田先生をはじめ、社内外の“プロ集団”の知見を結集し、美容・医療機器業界のトップを目指したいと思っています。

COMPANY DATA~
グローバルサイエンス株式会社

業務用美容機器を中心に、化粧品・店販商品・OEM商品の提案、製造販売を手掛ける。特に先端技術を導入した安心・安全な業務用美容機器を提案するため、東京・大阪・九州にメンテナンス部門を設置。専任技術者を配し、製品導入後の万が一のトラブルにも速やかに対応できるサポート体制を構築。情報収集や研究開発のもと、つねに技術を革新し、新しい価値を提供することを目指している。

渋谷スキンクリニック

一般皮膚科と美容皮膚科両方を開設、男女問わずあらゆる肌の悩みと向き合う。中でもにきび治療を得意とし、しつこいにきびや深刻なにきび痕をケア。保険診療のほか、自費治療での美容皮膚科診療、メディカルエステを組み合わせたにきびケアに取り組んでいる。また、さまざまな肌トラブルに対応するためのメニューを作成し、組み合わせ治療による相乗効果で素肌がきれいになる治療に力を入れている。

次の記事を読む